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  平成28年4月から差別解消法が施行されます。この法律は、障害者への「合理的配慮」を官公庁で義務化、
 民間では努力義務となりますので、聴覚障害者への情報保障が大きく前進する法律となる可能性があります。
 今から、深く学び、何が「合理的配慮」かを検討しておき、市役所等に対して提起する力が必要となります。

障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律

(目的)

第一条 この法律は、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の基本的な理念にのっとり、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを踏まえ、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置等を定めることにより、障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。

中略

(行政機関等における障害を理由とする差別の禁止)

第七条 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない

2 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない

(事業者における障害を理由とする差別の禁止)

第八条 事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。

2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。

  Q7 ここでいう社会的障壁とは、どのようなものですか?

  この法律にいう社会的障壁とは、障害者の生活に支障をもたらすバリア全般を意味します。この法律は、「社会的障壁」を「障害がある者にとって 日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行その他一切のもの」と定義しています(2条)。これは、障害者基 本法22項にさだめる社会的障壁の定義とおなじです。

  図表1 雇用義務化以後の民間企業における法定雇用率と実雇用率の推移

  法定雇用率実雇用率

  昭和51101.5%

  昭和63年4月1.6%

  平成10年7月1.8%

  平成25年4月2.0%

  (出所)厚生労働省資料より作成

    常用労働者を200 人超雇用する事業主を対象とし、雇用率未達成企業から納付金を徴収する一方で、雇

   用率達成企業に対しては企業規模に応じ、調整金、報奨金を支給する。現在は、納付金の徴収は、不足1

   人当たり月額5万円。調整金の支給は、超過1人当たり月額2万7千円。報奨金の支給は、超過1人当た

   り月額2万1千円。

   障害者雇用納付金制度については、創設以来、常用労働者を300 人超雇用する事業主のみを対象として

   きたが、中小企業における雇用状況の改善が遅れていることから、中小企業における障害者雇用の促進を

   図るため、平成22 年7月から常用雇用労働者を200 人超雇用する事業主、平成27 年4月から常用雇用労

  働者を100 人超雇用する事業主に対象範囲を拡大することとなった。

   事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、特例としてその子会社に雇用されている労

  働者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できることとしている。

  障害者権利条約ってなに?

 
障害者権利条約には、障害者の定義はありません。
 なぜでしょうか?
 実は、前文に「障害が発展する概念であることを認め」とあります。
 つまり障害というのは、かわりうる、ということです。
 機能障害がある人と、環境による障壁・周りの人達の態度、との間の”相互作用”こそが問題だとしているのです。

 以下工事中