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南アルプス最南端「丸盆岳」に登りましたが・・・・・

  登山の準備不足を反省しています。

 水窪から50分程にある戸中山ゲート前に着いたのが午前5時過ぎ。真っ暗闇の中、車を停めて林道歩くこと1時間半。
 7時頃登山口に着き登り始めた。ピーク到着が10時頃、きつい登りでした。戸中山ゲートから4時間半の長い歩きでした。
 高校時代に黒法師岳へ行きたいと思って幾星霜。やっと登れると思って登ったのが黒法師岳の隣の山「丸盆岳」でした。
  感想
    @ マニアックな山です。
    A けもの道が多く迷い易い。
    B すれ違う登山客がゼロでした(大変な山と言うことだな)。
    C 山へは準備万端で行きましょう(地図、コンパス、雨具、非常食、ライト、ライター、防寒具は必須) 
    D 携帯は役立たない(電波が全く届かないエリアで、緊急連絡もGPSも何も使えません)。
    F 迷ったら元来た道へ戻りましょう。
    G 遭難すると沢山の方に迷惑がかかります。お金もかかります。
    H 登山届は必ず出しましょう。
    I 山岳保険に入ってから行きましょう。
    J 仲間は一緒に歩きましょう。


 登山口
 ここまで車止めゲート
 から1時間半もかかる
 
 登山口から1時間程の場所
  本当に「やれやれ」でした。

 笹のきれいな山? 笹だらけの山?

 丸盆岳頂上(2066b)黒法師岳より1b低い。
 戸中山ゲートから6時間程かかりました。

 前方が丸盆岳。笹の原が登山道。
 鹿や猪が作ったと思われる「ぬた場」が点在していた。    

 後方の山が黒法師岳、下の緑の所がピーク
 黒法師岳からの見晴らしが良くないので丸盆岳にしました。
 
 紅葉は最高でした。

遭難記
7人でピークを13時頃下山を開始しました。
下山の途中で後方を歩いていた二人が消えてしまいました。
道を間違えてしまったそうです。
探しましたが見つかりません。
大声で叫びました。
谷のはるか下から返事が聞こえました。この時「このまま下る」と言ったそうです。
離れてしまったので「迂回」するだろうと下山を開始しました。
途中で大声て呼びましたが返事ありません。
5人は15時頃に登山口に到着しました。
ここから車の置いてある戸中山ゲートまで、歩いて1時間半かかります。携帯電話も使えません。
車が無ければ何もできないので・・
登山口に山仕事の車4台があったので、すぐ降りて来るだろうと「車の持ち主の下山」を待ちました。
4時半頃、車の持ち主が降りてきたので「ことの顛末」を報告。偶然ですが、降りてきた方の中に警察官がいました。
戸中山ゲートの開放(通常は鍵で閉鎖)と捜索の依頼をしました。
1名は経過の説明と色々な対応のため警察署へ行きました。
残った4名は車2台で、登山口と降りてきそうな沢の前で夜8時まで待機と決めました。
8時になっても降りて来ないので、警察署へ行きました。
警察で、「徹夜で登山口待機」の指示がありましたので、食料を購入(無理に店を開けてもらい)して登山口へ戻りました。
戸中山ゲートを過ぎた林道で、たぬきや鹿に何度も出会いました。野生生物の濃い場所でした。
四人は車で登山口へ戻り、車の中で待機となりました。満天の星空でした。
朝7時半頃捜索隊が到着しました。総勢30人程。登山道側と谷川に別れて捜索が開始されました。
上空には消防のヘリコプターが到着し頭上を旋回しました。
何度も旋回して、「1名が手を降っている」とヘリコプターから連絡あり。とにかく仲間は「ほっと」しました。
その1名が「谷川方向を指差している」との連絡もありました。
残る1名の安否が気がかりでした。
見えない谷底に落ちている。人の近づけない場所で迂回して捜索している。応答がない。危ないかも知れない。・・・・
とにかく「いろいろな情報」が飛び交いました。
急峻な谷でなかなか二人目が見つかりませんでした。
がやがやしていると、車で通りかかったおばさんが「顔に擦り傷したおじいさんが林道をゲートに向かって歩いていた」と言って来ました。
それは、谷川を指差された「おじいさん」だろうと、顔のわかる仲間を連れ、警察車両で探しに行きました。
警察車両から谷川へ向かって名前を呼びながら走ったそうです。
ゲート手前で「おじいさん」発見。
結局、当初二人で歩いていたが、夜間で道がわからず一人が谷川方面に滑り落ち、一人は山側、一人は谷筋で夜を明かしたのです。
「おじいさん」が遭難者本人と確認して捜索は終りました。
「おじいさん」が登山口の仲間の所へ戻った時に、NHK取材班がタクシーで到着しました。
「おじいさん(私と同じ歳ですが)」は谷川へ50メートルほど滑り落ち、顔に擦過傷を負い、メガネも時計も携帯も失くしていました。
擦り傷の顔がNHKで放送されたそうです。
「おじいさん」はそのまま、警察署で事情聴取を受け、精密検査のため救急車で病院へ搬送されました。
10/24にわかったのですが、精密検査の結果は重傷でした。
警察署で全員の氏名・住所・仕事・年齢と遭難経過を聞かれ「注意と始末書」で終了しました。
地元の捜索へ協力して頂いた代表の方へ、6名でお礼に行きました。
大変なご迷惑を、地元の方・警察・消防・レスキュー隊・営林署等におかけしてしまいました。
大変申し訳ありませんでした。
今日(10/24)に病院へ運ばれた方の状況を東京のリーダーに確認したら・・・
重傷と連絡がありました。
10/22には林道を歩いていたし、立って消防の聴取もうけていたので「嘘」と思いつつ、佐久間の病院へ見舞いに行きました。
病院では、3本の点滴を受け横になってみえました。連絡は本当で、重傷でした。
夜、6時頃道を探していて、足を踏み外して谷川方面へ転落したそうです。
斜面から落ちるときに何度も岩にぶつかって、途中やっと何かに?まり止まったそうです。その下は崖だったようです。
本当に危ない目に合われたのでした。
医師も、「この身体で沢や林道を歩いたのが不思議」と言っていたそうです。
「火事場のくそ力」と言いますが、気が張っていると自分の体力以上のことをやってしまうようです。
とにかくたいへんな事故を起こしてしまいました。
登山には万全の注意が必要と、あらためて思い知らされました。