平成28年4月1日から障害者差別解消法の合理的配慮が施行されます。この法律では官公庁では合理的配慮が義務化され
一般企業では努力義務となります。
但し、合理的配慮は申告制ですので、黙っていては何も始まりません。困っていること、このような支援がほしい、これは合理的
配慮内では?と思った時に、団体・個人として要望を出して行く必要があります。
28年4月を目指して、何を要望すべきか、何が合理的配慮内なのかの学習が大切です。要望するだけでなく、当事者からの
建設な提案が必要です。お金(税金)を使わずに安価な方法、またはお金を捻出する方法も含めた提案ができればいいなと考え
ています。
簡単に言いますと、お金がかからなければやります。お金がかかり過ぎるなら「合理的配慮」ではない。の論理に負けてしまわ
ない「力量」が必要と思います。
スーパー&コンビニにでも「自分を伝える方法を」
いつもレジで聞かれること。
「レジ袋は必要ですか?」
「お箸は?」
「温めますか?」
「20才を越えてましたら、確認ボタンを」
「カードをお持ちですか?」
スーパーなどは民間だから合理的配慮は努力義務となりますが、聴覚障害者にわかるように、なんとか改善できないものかと
いつも思っています。
ろう者には「手話」、難聴者には「筆談」と言われるが、この壁を越えるにはどうすればいいのか?
スーパーではまず、自分が配慮してほしいという「自己主張」が必要となります。難聴者マーク、ろう者マーク等聞こえの支援
の必要性を伝えるためのカードを携帯できるようにしたらどうかと考えている。なかなか、カードを持つことに対抗感を抱く方
が多いのが現実ですが。
スーパー等のレジで
➀ 店員が簡単な身振りを覚える。沢山覚えなくても良いので可能と思うが・・・。
② 音声を文字化する。多分話す内容が決まっているので難しくないのでは?
スマホ、PCには音声認識ソフトがあります。機能も格段に進歩しています。
③ ・・・・・ここは皆さんで考えて下さい。
館内放送の文字化 (呼び出しなんかで不便を感じてます。)
➀ 入館する時に、携帯のアドレスを登録 → 健常者へは館内放送
→ 必要な人へは一斉メールで配信(タイムサービスも文字化して)
※ 健常者へも、会場使用者にも煩くなくなるかも?
「豊橋 て ○○-○○ 車はムーブ 移動願います」これをメールで配信しては?
メール送信も音声制御で簡単に出来ます!
② 入館時にGPSで自動登録という方法は可能かな?
病院の医師&窓口、その他受付(福祉課とか税務課とか・・・)
➀ 医師の机や窓口には、補聴支援機を常備しておく。
補聴器では周囲の音がうるさくて、聞きにくいことが多いので、必要な患者には補聴支援機を使用しての説明を。
② 簡易筆談器を常備しておく。
③ ろうの方では筆談の苦手な方もいますので、窓口の方には手話をしっかり学習してほしいですね。
レントゲンでは
➀ 人間ドックでみんな、胃のレントゲン検査では閉口しています。あっち向いて、こっち向いて、横になって、そのままで
がわからず、技師が来て体形を変えています。画面表示であれば便利かと思います。すでに画面での表示は市販され
ていますので、これは絶対「合理的配慮」内です。あとは、必要な方が要望するかどうかだけかな。
学校教育では
➀ 時代に合ったIT機器等の導入(FM送受信機、赤外線送受信機、文字表示の活用)
聴覚障害の場合は、個々で聞える範囲が異なります。どの方法が良いかは十分考える必要があります。
② 学生に協力を依頼する。
早稲田大学ではPCを活用して情報保障していますが、協力を希望する学生に対して講座を開催しています。
③ 授業に合わせた音声認識の活用
音声認識ソフトの技術的進歩は早く、スマホでの操作は音声でも可能となっています。PC版も良くなっています
が、個々の音声の質により認識率は変わるようです。先生、授業内容に合わせて工夫すれば結構いいかも?
④ ➀とかぶりますが、遠隔地からの文字表示の方法です。先生の声を携帯でセンターに送り、そこで文字化してインター
ネットの画面に文字化させます。この場合は、費用負担が課題になるかと思います。
⑤ 先生の生の声が文字化できるのが夢です。みんなで、色々な方に音声認識を試してほしいと思っています。
社会見学、工場見学、会社見学
➀ どこでも案内人が、マイクとスピーカーを持って説明していますが、聴覚障害者にはわかりません。これを解決するには
音声認識の方法がベターかと考えています。現状の音声認識ソフトを見学内容に合わせれば良いかな?と
② 隣で、ノートテイクがいれば保障できますが、人手とお金のかからない方法を提案しなければ・・・・。
③ 上記④とかぶりますが、遠隔地で文字化支援の方法も可能です。
④ プラネタリウムも文字化する方法の検討が必要です。昨年、名古屋プラネタリウムでは文字表示化していました。
消防・警察の緊急時
➀ ろう者には特に大変です。緊急時ですから話せるとは限りませんが、遠隔手話通訳サービスが良いと思います。
現場でないとわからないことも多いですが、緊急時には筆談はできませんので、既に始まっているサービスとの
契約だと思います。その後、地元の手話通訳者が対応することとなります。
大ホール等では
➀ 磁気ループの設置(ループコードの配線とTで聞える補聴器の設置が必要。難聴者席が固定されます。)
② FM電波の配信(磁気ループの本体と同価格で、ホールのどこに居ても聞くことは可能で自由が度あります。)
FM受信機は一般化されていませんので、会場で事前に準備することも考えてほしいですね。
③ 要約筆記、手話通訳、パソコンでの保障等もあります。
④ 将来は、音声認識装置で文字表示化が主流になるかと思いますが、一字一句表示されるのに慣れるかどうかです。
講座・研修会で
➀ 自分で補聴器や聴覚支援器を活用する。
② 主催者側で配慮する(磁気ループやFM波のグループトークシステム等)。
※老人性難聴の方は、補聴器を持っていない方が多いので、合理的配慮としては補聴支援の検討が必要です。
合理的配慮は「障害者」に特定されていませんので、誰でも不都合を感じたら申し出ることが大切です。
要約筆記と手話通訳の対象にならない、軽度難聴者への配慮がこれから重要になります。
観劇等
➀ 字幕という方法が頭に浮かびますが、場面と字幕が離れますので、面白くないと思います。手話通訳も同じですね。
② 要約したものを、ウエアラブルで目の前に字幕化するのが良いと考えますがどうでしょう。
グーグルとかアイホンとかで眼鏡型が出ていますので、それに期待します。
身体障害者能力開発校(豊川の場合は国立県営です。)
➀ 手話通訳の配置
② 磁気ループ、FM電波での保障
※ 現在は、先生が手話を学んでお茶を濁している状況で、手話通訳設置はまだまだですね(豊川の場合)。
他の訓練校では手話通訳が配置されている所もあるそうです。この➀は合理的配慮の第一歩と思います。
但し、田舎には手話通訳者が沢山いません。現在の手話通訳派遣もいっぱいいっぱいの状況ですから。
公務員として働けるなら、みんな頑張って手話通訳士を目指してくれると思いますが。
自動販売機 最近はよーしゃべる自販機が多いです。
➀ どこかに文字表示してほしいですね。関西弁で喋るのもあったし・・・・チッョットした工夫が大切です。
駐車場(カード式)
➀ 「ボタンを押して」とか、色々喋る入場ゲートが多いですので、文字表示が必要です。
豊川のSCでもボタンを押してと言いますが、暗くなるとボタンの横の字は読めません。ゲートでジーと待っている人が
時々います。しっかり文字で表示されれば、みんな安心です。
※2015.1.13時点改善されてました。ボタンが消えたのだ!やっぱりみんな不思議に思っていてトラブルもあったんだな。
ガソリンスタンド (セルフが多くなったので、よー喋ります。)
➀ 喋ることは文字化してほしいですよね。静電気除去のため黒い所に触ってから給油願いますとか。
危険物を扱うのですから、文字化していない給油機は変更の検討を願います。
② カードを取り忘れたら是非フラッシュで知らせるようにして下さい。私はこれで失敗しましたから。
キャッシュコーナー (指示はだいたい音声です。)
➀ とにかく文字化です。文字化されていますが、重要なことと一般的なことが別かれていません。
重要なことは大きな字で表現することも可能と思います。特に、お金の取り忘れでは、ピーーーと鳴りますが、聴覚障害者
には小さ過ぎます。フラッシュで知らせることも検討すべきでは?
私はいつもピー音で「金が取ってない」と気が付きます。聴覚障害者で取り忘れた人いませんか?
皆さん!!聞えない方は何処で音声案内があるかわかりません。自販機が喋るなんて知らない方が多いです。
聞える方が周囲の音に気を利かせて、これも「音」だ・・・・どうすりゃーいい?と疑問に感じる習慣を身に着けて下さい